きのう、先祖の墓の掃除に行った。炎天下3時間、独りで黙々と草を刈った。ふだんやらない作業である。終わる頃には腰がふらふらになった。
そして去年のことを思い出した。その日私は、昨日同様に墓の掃除をしていた。持参したトランジスタラジオで米軍のAFNラジオを流していたら、ニュースで安倍が撃たれて重体だと言っていたのに驚いた。たいして英語の分からない私でもじゅうぶん聞き取れた。
私がこの日前後に墓掃除に行くのは、東京の盆にあわせてのことである。盆は先祖の霊が家に戻ってくる時節なので、墓は関係ない。だが、私の実家では春秋の彼岸、先祖の命日以外にもこの墓参掃除は習慣になっており、その役目が私に下りてくる。おかげで私は墓参することが多い。そしてそのことを楽しみとまでは言わないが、苦にしていない。東京西部の静かさと緑を好ましく思うからである。昨日も暑いのには閉口したが、濃い緑の美しさをじゅうぶんに味わった。
これからも、盆入り前の墓掃除の際、私は安倍の銃撃を思い出すのだろうと考えると妙な気分だ。
もっとも、彼の冥福は祈らないが。



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